派遣社員の割合と推移|業種別・年代別・性別・種類別の最新データを紹介
正社員やパート・アルバイトなど、さまざまな雇用形態があるなかで、派遣社員の割合はどのような状態になっているのでしょうか。
本記事では、業種別・年代別・性別・種類別に分けて、派遣社員の割合や推移、内訳などを紹介します。派遣社員の平均的な賃金や、派遣市場の動向についても解説しますので、派遣事業の運営にお役立てください。
目次[非表示]
- 1.近年の雇用者に占める派遣社員の割合
- 2.近年における派遣社員数の推移
- 3.【業種別】派遣社員の割合
- 3.1.派遣社員の割合が高い業種
- 3.2.派遣社員の割合が低い業種
- 4.【年代別・性別】派遣社員の属性と内訳
- 5.派遣形態の種類と割合
- 5.1.登録型派遣
- 5.2.常用型派遣(無期雇用派遣)
- 6.派遣社員の平均的な賃金
- 7.派遣市場の動向と今後の予測
- 8.まとめ
近年の雇用者に占める派遣社員の割合
総務省が行なっている労働力調査によると、雇用者に占める派遣社員の割合は、2025年1月時点で2.7%でした。各雇用形態の割合は、以下の表の通りです。
割合(%) |
実数(万人) |
|
正社員 |
62.3 |
3630 |
パート |
17.7 |
1033 |
アルバイト |
8.7 |
507 |
契約社員 |
2.7 |
159 |
派遣社員 |
4.9 |
287 |
嘱託社員 |
2.0 |
114 |
その他 |
1.6 |
94 |
出典:総務省「労働力調査(基本集計) 2025年(令和7年)1月分」
また、2024年1月分の労働力調査(基本集計)では、雇用者に占める派遣社員の割合が2.6%でした。2024年1月~2025年1月にかけて、派遣社員の実数は、約150万人から約159万人へと増加しています。
近年における派遣社員数の推移
厚生労働省が毎年集計している「労働者派遣事業報告書」の結果より、近年における派遣社員数の推移をまとめました。近年における派遣社員数は、少しずつ増加している状況です。
【業種別】派遣社員の割合
厚生労働省が公表する「令和4年 派遣労働者実態調査の概況」によると、業種別の派遣社員の割合は、以下のような状況となっています。
派遣社員の割合(%) |
|
鉱業・採石業・砂利採取業 |
4.2 |
建設業 |
10.6 |
製造業 |
23.6 |
電気・ガス・熱供給・水道業 |
18.5 |
情報通信業 |
23.1 |
運輸業・郵便業 |
13.9 |
卸売業 |
19.7 |
小売業 |
6.5 |
金融業・保険業 |
21.0 |
不動産業・物品賃貸業 |
9.5 |
学術研究・専門・技術サービス業 |
19.4 |
宿泊業・飲食サービス業 |
4.2 |
生活関連サービス業・娯楽業 |
7.1 |
教育・学習支援業 |
12.0 |
医療・福祉 |
10.8 |
複合サービス事業 |
10.1 |
サービス業(他に分類されないもの) |
14.9 |
派遣社員の割合が高い業種
派遣社員の割合が特に高い業種は、以下の通りです。
- 製造業
- 情報通信業
- 金融業・保険業
厚生労働省が、「事業所に派遣労働者を就業させる理由」を調査したところ、派遣社員の割合が高い業種では、以下のような理由が上位となっていました。
「事業所に派遣労働者を就業させる理由」の上位3つ |
|
製造業 |
|
情報通信業 |
|
金融業・保険業 |
|
派遣社員の割合が低い業種
派遣社員の割合が特に低い業種は、以下の通りです。
- 鉱業・採石業・砂利採取業
- 宿泊業・飲食サービス業
- 小売業
厚生労働省が、派遣社員が就労していない事業所に対し、「派遣労働者を受け入れない理由」を調査したところ、割合が低い業種では、以下のような理由が上位となっていました。
「事業所に派遣労働者を就業させる理由」の上位3つ |
|
鉱業・採石業・砂利採取業 |
|
宿泊業・飲食サービス業 |
|
小売業 |
|
【年代別・性別】派遣社員の属性と内訳
続いて、派遣社員の属性と内訳を紹介します。厚生労働省が行なった調査によると、派遣社員の年代別・性別の内訳は、以下のようになっています。
派遣労働者の年代別の割合と内訳(%) | |||
総数 |
男性 |
女性 |
|
15~19歳 |
0.2 |
0.2 |
0.2 |
20~24歳 |
6.2 |
6.1 |
6.3 |
25~29歳 |
11.3 |
12.4 |
10.3 |
30~34歳 |
13.1 |
11.7 |
14.4 |
35~39歳 |
13.6 |
13.0 |
14.2 |
40~44歳 |
16.7 |
15.2 |
18.1 |
45~49歳 |
13.1 |
10.8 |
15.4 |
50~54歳 |
9.4 |
8.6 |
10.3 |
55~59歳 |
5.6 |
6.3 |
5.0 |
60~64歳 |
4.6 |
6.0 |
3.2 |
65歳以上 |
5.9 |
9.4 |
2.5 |
出典:厚生労働省「令和4年 派遣労働者実態調査の概況(令和5年3月3日差替え分)」
派遣形態の種類と割合
派遣社員には、登録型派遣・常用型派遣という2つの派遣形態があります。ここからは、派遣形態の種類と割合について解説します。
登録型派遣
登録型派遣とは、派遣として働くことを希望する労働者が、派遣会社にあらかじめ人材登録しておき、派遣先が決まり次第、派遣会社と有期雇用契約を締結する派遣形態です。
厚生労働省が行なった調査によると、派遣社員として働いている労働者のうち、登録型派遣で就労している人の割合は53.8%でした。
また、性別で分けて見ると、派遣社員として働いている労働者のうち、登録型派遣で就労している人の割合は、女性のほうが高いという結果が出ていました。
派遣労働者のうち登録型派遣で就労している人の割合(%) |
|
男性 |
38.6 |
女性 |
68.4 |
出典:厚生労働省「令和4年 派遣労働者実態調査の概況(令和5年3月3日差替え分)」
常用型派遣(無期雇用派遣)
常用型派遣(無期雇用派遣)とは、派遣として働くことを希望する労働者が、派遣会社と無期雇用契約を締結したうえで、派遣先に就労する派遣形態です。
厚生労働省が行なった調査によると、派遣社員として働いている労働者のうち、常用型派遣で就労している人の割合は46.2%でした。
また、性別で分けて見ると、派遣社員として働いている労働者のうち、常用型派遣で就労している人の割合は、男性のほうが高いという結果が出ていました。
派遣労働者のうち常用型派遣で就労している人の割合(%) |
|
男性 |
61.4 |
女性 |
31.6 |
出典:厚生労働省「令和4年 派遣労働者実態調査の概況(令和5年3月3日差替え分)」
派遣社員の平均的な賃金
以下の表は、一般社団法人 日本人材派遣協会が、ウェブ上で行なったアンケート調査の結果です。派遣社員の職種別の賃金を調査したところ、平均時給は以下のような状況となっていました。
派遣社員の平均時給(円) |
|
オフィス系(デスクワーク中心) |
1495.1 |
オフィス系(デスクワーク以外) |
1405.8 |
営業・販売・サービス系 |
1509.1 |
IT技術・通信系 |
1953.4 |
クリエイティブ系 |
1682.3 |
製造・軽作業系 |
1209.0 |
その他 |
1564.3 |
出典:一般社団法人 日本人材派遣協会「派遣社員の賃金と派遣料金」
職種別の平均時給はIT技術・通信系が1953.4円、クリエイティブ系が1682.3円で、特に高い金額となっていました。派遣会社が、派遣社員として働く人材を安定的に確保するためには、平均時給に近い水準の待遇を用意したほうがよいでしょう。
事情により平均に近い水準の待遇を用意できない場合は、その他の部分で派遣社員の満足度を高める必要があります。派遣社員の満足度を高めるポイントを知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
▼満足度が高い派遣会社が評価されているポイント
派遣市場の動向と今後の予測
最後に、派遣市場の動向と今後の予測について解説します。以下のグラフは、エン・ジャパン株式会社が運営する派遣専門の求人サイト『エン派遣』に掲載された、派遣求人数の推移です。
エン派遣に掲載された派遣求人の数は、2020年に大きく減少していますが、コロナ禍を経て徐々に回復傾向となっています。
しかし、同社が調査した派遣求人の歩留まりの推移を見ると、「応募→登録」と「登録→就業」の歩留まりは、両方ともやや低下していることがわかります。
派遣求人の掲載数は回復傾向にあるものの、歩留まりがやや低下しているため、派遣市場は「人材を取り合うライバル企業が増えており、就業決定しづらくなっている状態」であると考えられます。
また、少子高齢化による労働人口減少などの影響で、人材市場は全体的に、求職者が有利な「売り手市場」となっています。今まで派遣を希望していた人材が、正社員募集などの隣接マーケットに流れやすくなっているため、派遣募集の難易度は上昇しているといえるでしょう。
今後も派遣として働く人材を確保していくためには、派遣市場の変化に合わせた戦略を立て、求職者から「選ばれる派遣会社」になれるよう工夫する必要があります。派遣市場の動向や戦略、選ばれる派遣会社になる方法などをより詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひご覧ください。
▼派遣市場の動向と戦略トレンド|派遣会社の経営者が押さえたいポイントを解説
▼求職者へのアンケートで分かった「選ばれる派遣会社」になる方法
まとめ
業種別・年代別・性別・種類別の派遣社員の割合や内訳、平均賃金、派遣市場の動向などを解説しました。雇用者に占める派遣社員の割合は、2025年1月時点で2.7%となっており、2024年同月よりも約9万人増えている状況です。
しかし、派遣求人の掲載数や歩留まりの推移を見ると、派遣市場は人材確保の難易度が、徐々に上昇していると考えられます。今後も派遣として働く人材を確保するためには、派遣会社が市場の変化に適した戦略を立て、求職者から「選ばれる」工夫を講じる必要があるといえるでしょう。
「派遣募集の成功率を高めたい」「安定的に派遣スタッフを確保したい」とお考えの場合は、ぜひ『エン派遣』にご相談ください。エン派遣は、派遣のお仕事募集に特化した求人サイトです。
エン派遣には、「派遣求職者の利用率がNo.1」(※)という強みがあります。現在、派遣のお仕事情報サイトは無数に存在しますが、そのなかで最も利用されているのがエン派遣なのです。
エン・ジャパン株式会社が行なった調査によると、主要な派遣サイトを利用している求職者のうち、約83%がエン派遣を利用していると判明しています。エン派遣を利用すれば、派遣として働くことを希望する求職者の大半に求人をアピールできるといえるでしょう。
また、エン派遣は一般的な派遣求人サイトと異なり、求人の掲載順位が「求職者とのマッチ度×新着更新順」で決まります。掲載した求人と、求職者が絞り込んだ条件とのマッチ度が高ければ、すべての料金プランで上位表示できるチャンスがあるため、予算の大小によって求人が埋もれる心配がありません。
これまで応募が来なかった案件も、エン派遣なら応募が集まる可能性があります。派遣スタッフの募集を行なう際は、ぜひエン派遣にご相談ください。
▼エン派遣の料金表・特徴をまとめたパンフレットは以下からダウンロードいただけます。
エン派遣のサービスの詳細はこちらで解説しています。ぜひご一読ください。
▼エン派遣の企業様向けページ
※エン派遣は派遣求職者の利用率No.1:いずれかの派遣情報サイトを1年以内に利用した方(20~40代男女)を対象に2023年に行なったアンケート調査より(当社調べ)。