【企業向け】派遣社員の面談で使える質問集|NG質問や面談のコツも解説
派遣社員を受け入れるときは、事前に候補者と面談(顔合わせ)をして、就業条件などの確認を行なうケースが多くあります。面談担当者が、「派遣社員の面談って一体何を聞けばいいの?」「してはいけない質問はある?」などの疑問・不安を感じ、戸惑うこともあるでしょう。
本記事では、派遣社員の受け入れを検討している方向けに、「面談で使える項目別の質問集・面談でしてはいけないNG質問・面談をスムーズに行なうコツ」などを紹介します。面談の目的や進め方なども詳しく解説しますので、派遣社員の受け入れを進める際に、ぜひ参考にしてください。
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目次[非表示]
- 1.派遣社員への面談(顔合わせ)とは?
- 1.1.派遣社員への面接は原則禁止されている
- 1.2.派遣社員へ面談を実施するときの流れ
- 2.派遣社員の面談で使える質問集
- 2.1.自己紹介をうながす質問
- 2.2.業務経験・職歴に関する質問
- 2.3.スキル・資格に関する質問
- 2.4.就業条件に関する質問
- 2.5.志望理由に関する質問(紹介予定派遣の場合)
- 3.派遣社員への面談で聞いてはいけないNG質問
- 3.1.住所・家庭環境などの個人情報
- 3.2.個人の思想にかかわる内容
- 3.3.その他スキルや業務に関係のない内容
- 4.派遣社員の面談でよくある逆質問集
- 5.派遣社員への面談をスムーズに行なうコツ
- 6.まとめ
派遣社員への面談(顔合わせ)とは?
派遣社員を受け入れるときは、事前に候補者と面談を実施し、就業条件や保有スキルなどの確認を行なうケースが多くあります。この派遣面談は、企業と候補者の「顔合わせ」とも呼ばれています。
派遣面談は、あくまでも候補者の保有スキルや業務経験、就業条件に関する確認などを行なう場なので、いわゆる採用面接とは目的が異なります。派遣面談で企業側が確認する主な内容は、以下の通りです。
- 派遣社員の就業条件・業務内容の確認
- 派遣社員の責任範囲の確認
- 候補者の保有スキル・業務経験の確認 など
また、派遣面談は企業側が候補者について確認するだけでなく、候補者側が企業の雰囲気などを確認する場でもあります。面談と同時に、配属予定の部署や現場を見学するケースも多いので、スムーズに職場見学を実施できるよう準備しておきましょう。
派遣社員への面接は原則禁止されている
派遣先企業(派遣社員を受け入れる企業)が派遣社員へ採用面接を行なうことは、労働者派遣法第26条6項により原則禁止されています。
採用面接を禁止されている理由は、派遣社員が派遣先企業と直接雇用関係を結ぶ立場ではなく、派遣元の企業と雇用関係を結ぶ立場だからです。労働派遣法では、以下の文言で派遣労働者に対する特定目的行為を禁止しています。
労働者派遣法第26条第6項 |
労働者派遣の役務の提供を受けようとする者は、労働者派遣契約の締結に際し、派遣労働者を特定 することを目的とする行為(特定目的行為)をしないように努めなければならない。 |
特定目的行為とは、労働者を選別したり特定したりする行為のこと。特定目的行為には、以下のような行為が該当します。
- 労働者派遣に先立って面接をすること
- 派遣元の会社に、労働者の履歴書を送付させること
-
発注にあたって若年者に限るなどの指示すること など
出典:厚生労働省「特定目的行為の禁止について」
なお、派遣期間が終了したあとに、派遣先企業と派遣労働者が双方合意のもとで社員として入社する「紹介予定派遣」の場合は、円滑な直接雇用を図るため、例外的に特定目的行為が認められるケースがあります。
「紹介予定派遣」以外の形態で派遣社員を受け入れる場合は、特定目的行為に該当する行為を行なわないよう気を付けましょう。
派遣社員への面接が禁止されている理由や面談(顔合わせ)の手順については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
▼【企業向け】派遣社員への面接は原則禁止? 禁止の理由や面談について解説
派遣社員へ面談を実施するときの流れ
派遣面談を実施するときの一般的な流れをご説明します。派遣社員を受け入れるときの面談は、「候補者本人・派遣会社の担当者・派遣先企業の担当者」の三者面談となります。以下のような手順で面談を進めましょう。
- 面談時間になったら、候補者と派遣会社の担当者を面談会場へ案内する
- 着席してもらい、候補者に自己紹介をしてもらう
- 派遣先企業の担当者からも自己紹介を行なう
- 派遣先企業から業務内容や就業条件についての説明を行なう
- 候補者の保有スキルや、業務経験などについて質疑応答を行なう
- 候補者から派遣先企業への逆質問を受け付けて回答する
- 面談が済んだら職場見学を行なう
一般的に、面談自体は20分程度で終わります。職場見学は会社の規模にもよりますが、30分程度で済ませるケースがほとんどです。面談と職場見学で、合計1時間程度の時間がかかると想定しておくとよいでしょう。
派遣社員の面談で使える質問集
ここからは、派遣面談で使える質問集を紹介します。
- 自己紹介
- 業務経験・職歴
- 保有スキル・資格
- 就業条件
- 志望理由(紹介予定派遣の場合)
上記5項目に分けて使える質問集を紹介しますので、面談でご活用ください。また、派遣先企業は、派遣会社から事前に候補者のスキルシートを共有されるケースがほとんどです。
スキルシートには、候補者の保有スキルや業務経験などが記載されています。その内容を踏まえて、候補者の人となりや熱意をより深く知れるような質問を行なうとよいでしょう。
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自己紹介をうながす質問
- 簡単な自己紹介をお願いします。
- 1~2分程度で自己紹介をしてください。
- ご自身の長所と短所を踏まえて自己紹介をお願いします。
業務経験・職歴に関する質問
- 今までの職歴を教えてください。
- これまで経験したお仕事の内容を詳しく教えてください。
- 今までのお仕事で○○の業務を担当したことはありますか?
- これまでの職歴のうち、○○のお仕事内容について詳しく教えてください。
- 今までのお仕事でどのような実績を上げましたか?
- 今までのお仕事で高く評価されたことは何ですか?
- これまで業務中に心がけていたことを教えてください。
- 今までのお仕事で工夫していたことを教えてください。
- 今までのお仕事でチームや会社にどのように貢献していましたか?
- これまで経験したお仕事のどのような点にやりがいを感じましたか?
スキル・資格に関する質問
- ○○のスキルはどのようにして習得したのですか?
- ○○の資格はどのような目的で取得したのですか?
- 今までのお仕事で学んだことを教えてください。
- 今までの業務で○○の資格をどのように活かしてきましたか?
- ○○のスキルを習得するにあたり工夫したことを教えてください。
- 当社の業務で特に活かせると思う経験やスキルを教えてください。
- 当社のお仕事を通して、身につけたいスキルはありますか?
- 今後、取得したい資格はありますか?
- 今後、身につけたいスキルはありますか?
就業条件に関する質問
- ご希望の出勤時間帯や曜日はありますか?
- 出勤可能な時間は何時から何時まででしょうか?
- 当社までの通勤は無理なく通える距離でしょうか?
- ○○の業務をお願いしたいのですが、問題ありませんか?
- (契約期間)までの勤務をお願いしたいのですが、問題ありませんか?
- 月に〇時間以上は出社が必要ですが、問題ありませんか?
- 月に〇回ほど土日出社となる場合がありますが、対応可能ですか?
- 月に〇時間ほど残業が発生する場合がありますが、対応可能ですか?
- 月に何回か、お使い程度の外出を依頼することはできますか?
- 勤務中は制服の着用をお願いしているのですが、よろしいでしょうか?
志望理由に関する質問(紹介予定派遣の場合)
- この職種に興味をもった理由は何ですか?
- 当社のお仕事を希望した理由を教えてください。
- 当社のお仕事のどんな点に魅力を感じましたか?
- お仕事を選ぶときに重視するポイントを教えてください。
- お仕事を選ぶときにどのような判断基準で選んでいますか?
- 当社のことを調べたうえで、何か共感できる点はありますか?
- 新しい環境でのお仕事に対して、どのような意欲をもっていますか?
- このお仕事を通して、身につけたいことは何ですか?
- このお仕事を通して、どのようにキャリア形成していきたいですか?
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派遣社員への面談で聞いてはいけないNG質問
派遣社員を受け入れるとき、候補者との面談を行ないますが、企業側から何でも質問してよいというわけではありません。ここからは、派遣面談で聞いてはいけないNG質問について解説します
住所・家庭環境などの個人情報
派遣社員への面談では、個人情報や「本人に責任のない事項」についての質問が、原則禁止されています。以下のような個人情報にあたる項目への質問は、行わないようにしましょう。
- 人種・年齢
- 住所・病歴
- 本人の貯蓄額・資産額
- 学歴・過去に勤めていた勤務先名
- 婚姻歴・配偶者や子どもの有無
- 体重・スリーサイズなど容姿に関する質問 など
また、「本人に責任のない事項」は、厚生労働省により以下のように定められています。下記の項目にあたる質問も行なわないよう注意しましょう。
- 本籍・出生地に関すること (注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)
- 家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)
- 住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近隣の施設など)
- 生活環境・家庭環境などに関すること
個人の思想にかかわる内容
信仰している宗教など、個人の思想にかかわる質問をするのもNGです。思想にかかわる内容は、厚生労働省により「本来自由であるべき事項」として配慮すべきと定められています。「本来自由であるべき事項」には、以下の内容が該当します。
- 宗教に関すること
- 支持政党に関すること
- 人生観、生活信条などに関すること
- 尊敬する人物に関すること
- 思想に関すること
- 労働組合(加入状況や活動歴など)、学生運動などの社会運動に関すること
- 購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
その他スキルや業務に関係のない内容
派遣社員への面談は、あくまでも保有スキルや業務経験、就労条件などを確認する場です。以下のように、スキルや業務に関係のない質問をするのは避けましょう。
- 休みの日の過ごし方やよく行くお店などプライベートな質問
- 仕事に関係のない趣味や特技に関する質問
- パートナーや同居人がいるかどうか
- 過去の職場を退職した理由
- 過去の職場に入社した理由
派遣社員の面談でよくある逆質問集
派遣社員を受け入れる際は、面談の最後で候補者からの逆質問を受け付けるのが一般的です。派遣社員の面談でよくある逆質問を10個紹介します。候補者からの質問にきちんと回答できるよう準備し、信頼感・安心感を醸成しましょう。
- 1日の仕事の流れを教えてください。
- 1日の仕事量の目安を教えてください。
- 職場の雰囲気を教えてください。
- 業務前に行なう研修はどのような内容なのでしょうか?
- 繁忙期や特に忙しい曜日などはありますか?
- 就業するときに注意した方がよいことはありますか?
- 就業までに勉強しておいたほうがよいことがあれば教えてください。
- 就業までに準備しておいたほうがよいことがあれば教えてください。
- 御社で活躍している社員の特徴を参考までに教えてください。
- 御社が派遣社員に求めていることや、期待していることを教えてください。
派遣社員への面談をスムーズに行なうコツ
最後に、派遣社員を受け入れる際の面談をスムーズに行なうコツについて解説します。企業と候補者のミスマッチを防止し、信頼関係を築くためにも、以下の3点を押さえておきましょう。
面談担当者が「会社の顔」となることを意識する
企業の面談担当者は、候補者にとって「会社の顔」となります。面談担当者の態度や言動で、会社の印象が良くも悪くも左右されることを念頭に置いておきましょう。候補者との信頼関係を築くためには、以下の点に気を付けて面談を実施する意識が大切です。
- 笑顔で明るく接し、話しやすい雰囲気をつくる
- 面談担当者が自らリラックスして話せる雰囲気をつくる
- 「自分も候補者から見られている」という意識で身なりを整える
- 候補者が自社へ抱いている疑問・不安を面談の場で解消する意識をもつ
スキルと募集業務がマッチするか確認する
派遣面談では、「候補者の保有スキルと募集業務がマッチするかどうか」を重点的に確認しましょう。
保有スキルと募集業務がマッチしていれば、派遣社員がスムーズに新しい仕事へ馴染むことができます。企業側としても、派遣社員が順調に業務をこなしてくれるのはメリットです。
候補者の保有スキルや業務経験と、募集業務がマッチするかを確認し、ミスマッチのない派遣募集ができるよう心がけましょう。
求職者からの質問に答えられるよう準備しておく
派遣面談では、最後に候補者からの逆質問を受け付けます。先述した逆質問例を参考に、よくある質問への回答をあらかじめいくつか準備しておきましょう。
派遣面談は、通常の採用面接とは主旨が異なりますが、候補者は緊張している場合が多いものです。就業にあたり不安や疑問を抱いているケースがあるので、誠実な態度でしっかりと質問に回答し、安心感・信頼感を醸成しましょう。
面談のなかで安心感・信頼感を醸成できれば、「この企業で働きたい!」と候補者の意欲をより高められる可能性があります。
まとめ
派遣社員を受け入れる際は、候補者と面談(顔合わせ)を実施し、スキルや業務経験、就業条件などの確認を行ないます。「派遣社員の面談で使える項目別の質問集」を参考に、候補者の保有スキルや業務経験をチェックしましょう。
個人情報や思想にかかわる質問をするのは避け、誠実な態度で面談を実施すれば、候補者との信頼関係を醸成しながら、ミスマッチのない派遣募集を行なえるでしょう。
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